壊刻のネバーランド 劇伴紹介 No.3「エリア編クロスフェード」

セルフライナーノーツ
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こんばんわ、フリー作曲家のこよたかです。C88にてリリース予定の7thKINGSさんの新作ゲーム「壊刻のネバーランド」の劇伴を担当させていただいてます。

今回は、第3回目。第3回目はゲーム中に登場する場所や地名、エリアなどに関連する(しそうな)曲を取り上げようと思います。さっそく本作劇伴のセルフライナーノーツはじめます。

エリア編クロスフェード

今回は、クロスフェードで複数曲を紹介してます。(下記リストはクロスフェード再生順に並んでいます)

  1. ネバーランドの森
  2. 優しい気持ち
  3. 南の風が吹いて
  4. ゴールド・ロジャー
  5. 思い出の場所
  6. 悪趣味な部屋
  7. ティンクと一緒

自己ライナーノーツ

エリア編と銘打っておりますが、実際にはゲームをプレイして頂いて、その場面とシーンを感じていただきながら下記の解説を読んでもらえたりすると、その味わいが少しでも増すのかな、なんて思ってます。

ただ、実際の所、曲名と、エリアや場面に、それほど直接的な関係が無かったりします。

サントラって結構そういうものだったりします。

ある作品では劇伴は全てナンバーのみで呼ばれて、特に意味ある曲名や印象をつけないで作ったりとかしたそうです。

というわけで、その点を加味した上で以下のセルフライナーノーツ楽しみください。

1.ネバーランドの森

神秘性、深い森の中、ざわついた感じ、彷徨い、迷い。
パズルのような雰囲気。無機質のようでいて何かがいそうなイメージ。
そんなキーワードを元に制作しています。

作品中でもネバーランドの森は、おとぎ話らしい不思議さと、鬱蒼と茂る怪しい雰囲気の二面性を持っていると感じていたので、その雰囲気を盛り上げられるような曲になればいいなと思います。

2.優しい気持ち

作曲にあたって「複雑な思いの上に成り立つ優しさ」というフレーズが、キーワードとして浮かんでいました。

過去の楽しかった思い出の場所を懐かしむ心は、逆説的に「既に今はそこには存在しない」という事実を認識してるということになります。変わってしまった世界で、心もとない、寂しい。でも、今、この瞬間の目の前の人に対する優しい想いを抱こうとする。人間のその素直な気持ちを感じ取ってもらえたら嬉しいな、と思います。

3.南の風が吹いて

海。海岸。日光浴。遊び。のどかな感じ。

メロディは「スティール・パン」というカリブの楽器。まさに南国っぽいですよね。

「スティール・パン」➝「パン」➝「ピーターパン」。

そしてカリブといえば海賊。海賊のフック船長。

うーん、のどかな曲調でありながら、何やら因縁を感じさせる曲ですね。

4.ゴールド・ロジャー

フック船長の海賊船の名前「ゴールドロジャー」を冠した曲名です。

海賊船、停泊、海賊、怪しい、大人、戦闘準備、雄大。

実は先日紹介した「フックとピーターの戦い」と同じメロディラインを使用しています。要はアレンジ違いバージョンですね。

左から聞こえるバスーン(木管楽器)のベースラインは、リズムは違うものの音の動きが、「フックとピーターの戦い」のベースラインおよびトランペットのメロディと同じです。

実は、このゲーム内には、上記のように各キャラのテーマメロディをいろいろな曲にちりばめています。よーく聞いていないとわからないようなものから、比較的わかりやすいものまで、ちょっとした遊び心を入れています。

この辺りにも注目(耳?)してみると、それがゲームや物語のヒントに繋がっているかもしれませんよ?

5.思い出の場所

上記の「優しい気持ち」と曲のコンセプトは似ているかもしれません。

過去の楽しかった思い出を懐かしむ心、それが今はいないという思い出の対比する寂しさを表現しています。

また、鉄琴の残響を少し多めにして、神秘的な雰囲気も出しています。

子どもの頃のふわっとした思い出の感覚と、それを振り返る大人の感情、でも本作の主人公ユアンはその記憶を持っていない。そんな歯がゆい雰囲気を感じていただけたら嬉しいです。

6.悪趣味な部屋

怪しげでちょっとコミカルな雰囲気が漂うフックの部屋。

7つの海から集めたいろんなものが雑多においてある、そんなイメージです。

統一感がなさそうで、悪趣味な面を象徴するように、左右や遠くの方で打楽器が自由気ままに鳴っています。世界から集 めたもの(なのか、統制のとれていない海賊メンバーなのか)が勝手に自己主張していてちぐはぐな感じを表しています。

7.ティンクと一緒

実は、特に「この場所で、このエリアで」という意図があって作った曲ではないのです。
ですが、ティンクと一緒に歩いているときの、安堵感がありつつもトコトコと進んでゆくような落ち着いた日常系BGMとして制作しました。

…ということで、今回は前回までと違って、ざざっとクロスフェードにて劇伴をご紹介しました。

第1回、2回で1曲ずつ、今回で7曲の、これまでの合計で9曲をご紹介してきました。

ですが、今回、このゲームのために制作した曲は、これでもまだまだ半分に足りません。現時点で1/5くらいかな。

引続き、紹介コーナーはひっそりと進めてゆきますので、ご興味のある方は是非お付き合い頂ければ嬉しいです。

(ちなみに体験版は正式リリース版とBGM内容が異なります。詳細は7thKINGSさんサイトで要チェック!)

この曲が使われたゲームはコミックマーケット88「金曜日 西地区 “こ” 07a」の「7thKINGS」さんにて!

体験版はこちらよりダウンロードして遊べます

セルフライナーノーツ
ジャズ&クラシックピアノを流して、家をカフェにしよう

わたし Koyotaka が参加している Duende Pianoforte は、豊かな音楽と、穏やかな生活がテーマの音楽プロジェクト。ジャズとクラシックピアノで、家でのくつろぎ、移動時間のやすらぎ音楽をお届けします。

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